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個人事業主として起業するには?方法とメリット・デメリット

  1. 公開日:2022年03月31日
  2. 最終更新日:2023年09月15日

独立開業の基礎知識

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個人事業主として起業したいけれど、具体的には何から手を付ければいいのだろうと悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。

今回は、個人事業主として起業するにはどうすればいいのか、具体的な方法を7ステップに分けて紹介します。

 

さらに、個人事業主を選ぶメリット・デメリットも法人の場合と比較しながら紹介します。

実際に起業の準備を進める前に、本当に個人事業主でいいのか見直してみてください!

個人事業主として起業するには

個人事業主と法人どちらとして起業しても、準備の流れに大きな違いはありません。
大きな流れは以下の通りです。

【個人事業主の起業の7ステップ】

  • 起業の目的を決める
  • ビジネスプランを決める
  • 事業計画書を作成する
  • 家族に説明して同意を得る
  • 起業資金を集める
  • 起業手続きをする

まずは起業をして何を叶えたいのか目的を明確にし、ビジネスプランを決めて事業計画書を作成しながら具体化していきます。
事業計画ができたら家族に説明して、同意を得てから次のステップに進むのがおすすめ。
家族に事前説明して不安を解消しておくことで、本人も事業に集中しやすくなります。
家族の同意が得られたら、起業資金を集めて手続きを進めましょう。

個人事業主と法人の起業準備で大きく違うのが、必要な手続きの種類と数です。
個人事業主として起業する方が、手続きが少なくなります。

各ステップの詳細が知りたい方は、起業の準備の手順をご覧ください。

個人起業するための手続き

個人事業主として起業する際には以下の書類を税務署に提出します。
ただし、必須なのは上3つだけです。
その他は場合によって必要であれば提出しましょう。

【税務署に提出する書類】
個人事業の開業・廃業等届出書(開業届):開業日1カ月以内
所得税棚卸資産の評価方法の届出書:最初の確定申告まで
所得税減価償却資産の償却方法の届出書:最初の確定申告まで
所得税青色申告承認申請書:基本的には2カ月以内
青色事業専従者給与に関する届出書:基本的には2カ月以内
給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書:給与支払事務所等開設から1カ月以内
源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書:随時

また、都道府県税事務所と市町村などの地方自治体にも事業開始等届出書を提出します。
従業員を雇用する場合は、労働基準監督署と公共職業安定所でも手続きが必要です。

それぞれの手続きに関する詳細は、個人事業主の起業手続き一覧をご覧ください。

個人事業主として起業するメリット

ここでは個人事業主として起業する3つのメリットを紹介します。

メリット①必要な手続きが少ない

個人事業主として起業する場合、法人の場合よりも必要な手続きが少ないというメリットがあります。

個人事業主の企業に必要な手続きは、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」「所得税棚卸資産の評価方法の届出書」「所得税減価償却資産の償却方法の届出書」の3つを提出するだけです。
従業員を雇う場合や青色申告をしたい場合はその他にも提出する書類がありますが、必須ではありません。

一方、法人を設立する場合は、基本情報を決めて公証人に定款の認証を受けるところからはじまり、法務局や税務署など複数の場所で手続きをする必要があります。
手続きに必要な書類・物も法人企業の方が多くなります。

メリット②開業手続きにお金がかからない

個人事業主として起業すると、開業手続きにお金がかからないというメリットもあります。
個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)青色申告承認申請書を提出する際にかかる費用は0円です。

一方、法人を設立する場合は手続きだけで約11万~25万円ほどの費用が発生します。
金額は株式会社や合同会社などの形態や資本金の金額などにより変動します。

メリット③税金の申告が簡単

個人事業主として起業する場合、法人よりと比べて税金の申告が簡単という点もメリットです。
税金の申告のためにかける手間暇が少ないので、事業に集中できます。

一方、法人を設立すると税金の計算方法が複雑になります。
特に初心者が自分だけで申告しようとすると、かなり手間暇がかかってしまうでしょう。

個人企業のデメリット

一方、個人事業主として起業すると以下のような3つのデメリットもあります。

デメリット①社会的信用を得にくい

個人事業主として起業すると、法人よりは社会的信用を得られにくくなってしまうデメリットがあります。

同じ条件で個人事業主と法人から営業をされたら、法人が選ばれやすいでしょう。
また、個人事業主とは取引しないと決めている企業もあります。

デメリット②資金調達しにくい

個人事業主として起業すると、法人を設立する場合よりも資金調達がしにくいというデメリットもあります。

法人の場合は株式発行による資金調達ができますが、個人事業主はできません。
また、銀行によっては法人にしか融資をしていないところがあります。

デメリット③節税しにくい

個人事業主として起業すると、法人を設立した場合より節税がしにくいというデメリットもあります。

個人事業主は累進税率によって課税されるので、所得が増えるほど税率が高くなり、売上が高くなれば法人にしている場合の税金の方が安くなるからです。
また、個人事業主は法人よりも経費として計上できる範囲が狭くなります。

個人事業主としての起業は法人の場合よりも手続きが簡単

以上、個人事業主として起業するにはどうすればいいのか具体的な方法と、法人の場合と比較したメリット・デメリットを紹介しました。

個人事業主ならば、法人よりも手続きにかかる手間暇が少なく、手続きに費用がかかりません。
一方、個人事業主には累進課税が適用されるので、売上が一定額を超えると法人の税金の方が安くなります。
まずは個人事業主としてスタートして、売上が高くなってきたら法人にするという方法もおすすめです!

この記事を書いた人

編集部 河田
編集部の河田です。書籍編集とウェブメディアの編集・執筆の経験を経て、現在は「独立成功のレシピ」のコンテンツ編集・執筆を担当させていただいています。現会社員かつ独立未経験者の目線で、自分が独立するなら知っておきたいと思う情報を発信していきます。よろしくお願いします。