脱サラ起業とは
脱サラ起業とは、サラリーマンを辞めて自分自身で事業を始めることを意味します。
つまりサラリー(給料)を受け取る雇われの身から脱却し、経営者となるということです。
脱サラしている人の年齢
日本政策金融公庫の2020年度新規開業実態調査によると、脱サラしているしたいないかは問いませんが、起業している人の年齢は40代が最多で38.1%、次に多いのが30代で30.7%となっています。
ただし、株式会社じげんが運営する「開業副業調査ラボbyフランチャイズ比較.net」によると、脱サラを決めている人の年齢は、50代が最多の41.2%、続いて40代が27.7%となっています。
30代~40代は脱サラはせずに起業する人が多いのか、50代は脱サラしたいけれどなかなか実行できない人が多いのかもしれません。
フランチャイズ「トータルリペア」に加盟される方の平均年齢は47歳くらい。
ほとんどが脱サラして事業を開始されています。
脱サラをした理由
株式会社じげんが運営する「開業副業調査ラボbyフランチャイズ比較.net」が2022年に実施した調査第2弾によると、脱サラを決めている人が開業を検討した理由の1位は「今の仕事では収入が少ないから(23.5%)」、2位は「興味がある分野で新しく仕事をしてみたい(20.2%)」となっています。
また、株式会社アントレが脱サラ経営者551を対象に実施した2021年のアンケート調査では、脱サラをした理由の1位は「もっと自分の自由になる仕事がしたかった(41.6%)」、2位は「家で仕事がしたかった」。
トータルリペアでも、セミナーに参加した176名を対象に、2021年12月~2022年3月にアンケートを実施しました。
その結果、起業を志した理由の1位は「収入を上げたい(28%)」、2位は「手に職をつけ定年のない働き方をしたい(22%)」、3位が「ワークライフバランスを重視したい(18%)」でした。
調査によって結果に差はありますが、脱サラをする主な理由は「収入をアップしたい」「労働環境を改善したい」の2つに分けられるといえるでしょう。
脱サラ起業のメリット・デメリット
ここでは脱サラ起業をするメリット・デメリットを紹介します。
自分が本当に脱サラ起業をしたいのか考えてみましょう。
脱サラ起業の5つのメリット
まずは、なぜ脱サラ起業をしたい人が多いのか、その魅力をご紹介します。
メリット①働く時間を自由に決められる
脱サラ起業をすると、働く時間を自分で自由に決められるようになります。
そのため、家族や自分のための時間をとりやすくなります。
たとえば、平日に休んで空いている観光地を楽しんだり、夕方に仕事を切り上げて子供の迎えや根貸し付けを終えてから仕事を再開することも可能です。
また、仕事内容や経営状況によっては、朝が苦手な場合は昼から仕事を始めて夜遅い時間に終えたり、週3日や4日の休みを取ることができる場合もあります。
一方、サラリーマンを続けている限り、休日も労働時間も会社に決められていることが多く、自由度は低いといえます。
メリット②仕事内容の自由度が上がる
脱サラ起業をすると、労働時間だけではなく、仕事内容も自分で決められるようになります。
好きなことや得意なことを仕事にしたり、苦手なことは外注することも可能です。
もちろんサラリーマン時代の仕事を好きなら、同じ業界で脱サラする選択肢もあります。
一方、サラリーマンをしている人の中で、生活のため、趣味のため、家族のために稼ぐ手段として、仕事を選んでいる人が多いのではないでしょうか。
メリット③社内の人間関係を気にする必要がなくなる
脱サラ起業をすると、会社内の人間関係に悩まされることがなくなります。
もちろんお客様や取引先、1人でできない事業であれば従業員と関わる機会はありますが、ある程度付き合う相手は自分で選ぶことができます。
一方で会社に所属していると、人事異動に悩まされたり、苦手な従業員や取引先と強制的に関わり我慢し続けないといけない場合もあります。
メリット④収入を大幅アップできる可能性がある
脱サラ起業をすると、サラリーマン時代よりも大幅に収入を上げられる可能性があります。
たとえば、年収500万円から1,000万円以上にアップなど、倍になる場合も。
売上を上げれば上げるほど、自分の収入も際限なく上げていくことが可能です。
一方、サラリーマンの場合は売上を上げたとしてもそのまま自分の収入には直結しません。
昇給やボーナスに反映される場合はありますが、それでも収入アップには上限があります。
また、脱サラ起業していれば定年によって収入が大幅ダウンになることもありません。
サラリーマンは再雇用制度がある場合もありますが、一般的には再雇用された従業員の給料は大幅に下がってしまいます。
メリット⑤節税対策ができる
脱サラ起業すると、会社員の頃にはできなかったような節税対策もできるようになります。
確定申告をしてサラリーマンが控除してもらえる必要経費よりも、法人や帆人事業主として経費計上してもらえる対象の方が広いからです。
たとえば、脱サラ起業して自宅で仕事をしている場合、家賃の一部を経費として計上できることがあります。
また、家族を役員または従業員として、役員報酬や給与を支払うという形をとれば、所得を分散して所得税率を下げられます。
脱サラ起業の4つのデメリット
次に、脱サラ起業をしてから後悔しないように、デメリットも紹介します。
デメリット①安定的な収入がなくなる
脱サラ起業すると、サラリーマンのような毎月決まった金額の収入を得ることはできなくなります。
収入が多い月があってもそれが安定して続くとは限りません。
また、収入を得るどころか赤字になってしまう月もあるかもしれません。
デメリット②責任が大きくなる
脱サラ起業をして経営者になると、サラリーマンの時よりも大きな責任を持たなければいけません。
事業に失敗したときの責任はすべて自分で負う必要があります。
責任の大きさからプレッシャーを感じて、精神や体の調子が悪くなってしまうこともあります。
一方、サラリーマンなら多少の失敗をしても、会社や上司が代わりに責任を負ってくれます。
デメリット③起業後すぐは社会的信用が低い
脱サラ起業すると、一時的にサラリーマン時代よりも社会的信用が落ちてしまいます。
そのため、ローンやクレジットカードなどの審査に通りにくくなるというデメリットがあります。
なぜなら、金融機関やクレジットカード会社からすれば、収入が不安定な起業家は本当にお金を返してくれるのか分からないからです。
一方、サラリーマンは収入が安定しているので返済のめども立ちやすく、審査に通りやすい傾向があります。
ただし、新創業融資制度を利用したり、法人用カードを作ることはできます。
デメリット④なかなか休みが取れないケースもある
脱サラ起業をすると好きな時間に働けますが、逆に労働時間の制限や決まった休日がなくなるということでもあります。
特に起業したての頃、経営を軌道に乗せるまでは、なかなか休みが取れない傾向があります。
また、サラリーマンとは違い有給休暇がありません。
そのため体調不良や家庭の事情で働けない期間があると、その分収入が減ってしまいます。
脱サラ起業の成功率
事業を続けることを成功とするのであれば、脱サラ起業で成功できる人はごくわずかです。
起業1年後に事業を続けられている起業家は40%、5年後は15%、10年後は6%、30年後には0.02%にまで減ってしまいます。
たとえば、50歳で事業を始めて60歳まで続けるためには、6%ほどしかいない成功者になる必要があります。
この数値を見ると、脱サラ起業で成功するのは極めて困難に思えるかもしれません。
しかし、自分が成功しやすい人の特徴を持っているのかを見極め、ポイントを抑えて挑戦することで、成功率を上げることができます。
脱サラ起業で成功しやすい人の特徴
フランチャイズ「トータルリペア」の本部は、脱サラをして独立開業された加盟店オーナー様の運用サポートを実施しています。
その中で見えてきた、成功する方に共通する特徴は以下の通りです。
特徴①自分で考えて解決する
独立して成功する人の特徴としてまず挙げられるのは、日常生活で生まれた小さな疑問を根気よく考え、自分で解決しようとするという点です。
こういった人は、起業した当初はうまくいかなくても、どうやったら売り上げが出るのか考えて実行していけるので成功しやすい傾向にあります。
これに対して、独立に向いていない人は、ちょっとした疑問は気にしません。
そのため、成功につながるヒントを見逃し、改善につなげることができないのです。
特徴②人のアドバイスを聞く素直さ
脱サラ起業で成功する人は、自分で考える傾向がありますが、それ以上に素直に人の意見に耳を傾ける姿勢があります。
なんでも独断で進めるのではなく、自分の得手・不得手を理解し、不得手なことや知らないことは専門家にアドバイスを求めます。
そのアドバイスも考慮したうえで、自分で考え決断するのです。
一方、自分で考えられる人でも、プライドが高く他の人の意見を聞けないと、成功しにくくなってしまいます。
特徴③言い訳しない
脱サラ起業に向いている人は、自分で責任を引き受けて言い訳しない特徴も持っています。
サラリーマン時代とは違い、起業をすればその事業の責任はすべて自分にあります。
その責任の大きさを理解している人ほど、上手くいかないときも言い訳せず、成果が出るまで努力できます。
これに対し、独立に向かない人は、できないことの言い訳をしがちです。
事業がうまくいかないときも他力本願で、人に解決してもらいたがる傾向にあります。
特徴④行動力・決断力がある
脱サラ起業に向いている人の特徴として、決断が的確で早く、その通りにやる行動力があるという点もあげられます。
失敗を恐れず挑戦していく気概があり、失敗してもそこから多くを学びます。
これに対し起業で失敗しやすい人は、物事を決められない優柔不断な性格で、行動力がない傾向があります。
いいアイデアを持っていたとしても、いつまでも実行を決断できずにいれば、成功にはつながりません。
特徴⑤あきらめない
脱サラ起業に向いている人には、あきらめない粘り強さがあります。
予定通りにうまくいかなくても、事業が軌道に乗るまでの道筋を考え直し、コツコツ努力します。
これに対し、上手くいかないとすぐあきらめてしまう人は、脱サラ起業に向いていません。
起業すること自体も簡単ではなく、起業後も結果が出るまでには時間がかかることがほとんどだからです。
特徴⑥好奇心旺盛
脱サラ起業に向いている人は、好奇心旺盛でなんでもおもしろいと思えるという特徴があります。
前例のないことであっても、自分が前例になることを恐れずに挑戦します。
一方、好奇心が少なく、何に対しても前例がないと安心できない人は独立には向いていません。
独立する場合、身近にまったく同じような前例があったとしても、二番煎じで独自性がなければ大きな成功は期待できないからです。
特徴⑦お金に関する感覚・知識が優れている
脱サラ起業に成功する人は、お金に関する感覚・知識が優れているという共通点もあります。
収入額を正しく予測し、無駄な出費を抑えるという商売の基本を押さえた、合理的で手堅い経営判断ができるからです。
また、どんな事業で起業するとして、ある程度元手がないと難しいものです。
資金調達は独立の最初の課題ということができます。
資金調達の課題をこなせない人は独立には向いていません。
特徴⑧家族の理解・同意が得られている
脱サラ起業に成功している人は、家族の理解・同意を得ている傾向があります。
独立すると収入が安定しなくなる場合があり、心身に負担がかかります。
そんな中でも、家族から応援されサポートも受けられる状況であれば、厳しい状況を乗り越えて成功することが可能です。
一方、家族から反対を受けていると、経営状態が軌道に乗るまで応援もサポートも期待できません。
そのため、体や心が不調になってしまうリスクが高くなります。
特徴⑨周囲の人に好かれやすい
脱サラ起業に成功している人のほとんどは、人間性が高く、自然に周囲から応援を得られる性格の持ち主です。
お客様や関係者と信頼関係を築けるので、何事もスムーズに進められます。
一方、実力があっても性格が悪ければ、周囲からの支援を得られません。
そればかりか、お客様が近寄らず、従業員も離れてしまい、事業の継続どころではなくなります。
特徴⑩仕事を愛せる
脱サラ起業に成功している人の多くは、自分の仕事を愛しています。
自分の好きなこと、得意なことで起業しているので、働くことが苦ではないと感じるようです。
さらに、好きでやっている仕事が社会に価値を生み出せるのですから、これほど幸せなことはないでしょう。
一方、仕事を愛せない人は不満が多く企業に失敗する傾向があります。
脱サラ起業をする際は、儲けられるかはもちろん、その仕事を愛せるかどうかも判断基準として重視しましょう。
特徴⑪先見性がある
脱サラ起業で成功する人は、世の中の変化に敏感で先見性があります。
起業のうえで大切なことは、どのくらい先の社会のニーズを見通せるかです。
1歩先では、すでに多くの企業が手をつけていて、競合との価格競争に巻き込まれてしまいます。
3歩先ぐらいの社会ニーズを見通すのが起業にはちょうどよいでしょう。
特徴⑫差別化できる
脱サラ起業で成功している人は、他社との差別化ができ、提供しているサービスや商品にオリジナリティがあります。
物があふれなんでもネットで簡単に手に入る時代において、他社と差別化できているかどうかはお客様を獲得するための重要なポイントです。
さらに、独自ノウハウで付加価値を生み出して差別化できていれば、他社との価格競争を回避できます。
一方、他社との差別化ができない人は、他社との競争に勝つことが難しくなってしまいます。
自分には差別化できるアイデアもノウハウもないという場合は、すでに差別化できていて競合に勝っているようなフランチャイズに加盟するという手もあります。
特徴⑬売り込みが上手
脱サラ起業で成功している人は、売り込みや取引先との交渉が上手で、営業マンとしての能力も高い傾向があります。
いいサービスや商品を持っていても、売れなくては意味がありません。
もし営業力に自信がない場合は、すでにブランド力があって集客に困らないフランチャイズや、お客様を紹介してくれるフランチャイズに加盟するのがおすすめです。
脱サラ起業する方法
では、実際に脱サラ起業をするとき、どのような流れで進めればいいのかというと、以下の9ステップの順に準備することをおすすめします。
【脱サラ起業のやり方9ステップ】
- 起業の目的を決める
- ビジネスプランを決める
- 起業方法を決める
- 事業計画書を作成する
- 家族に説明して同意を得る
- 起業資金を集める
- 会社に退職の意思を伝える
- 起業手続きをする
各ステップの詳細は、起業の具体的なやり方をご覧ください。
退職を伝える時期は?
脱サラをする場合に1点注意が必要なのは、ステップ7の退職の意思を伝えるタイミングです。
起業できる準備がある程度整って、自分が損をしないかつ会社に迷惑がかからないタイミングを見計らって退職の意思を伝えるようにしましょう。
自分が損をしない具体的なタイミングは、年度途中かつボーナスの金額が決まった時期です。
なぜ年度途中がいいかというと、会社員時代の給与所得と脱サラしてからの事業赤字を合算し、税金が減額されることがある損益通算の制度があるから。
事業を始めたての頃は赤字になってしまうこともありますが、そのリスクをおさえることができます。
ボーナスの金額が決まった時期がいい理由は、退職を伝えたうえで金額を決められると、支給額が下げられたり0円にされてしまう可能性があるからです。
就業規則をチェックして、ボーナスの決定時期を確認しましょう。
また、会社に迷惑をかけないという意味でのベストなタイミングは、退職の1~3カ月前です。
こちらも、会社の就業規則により異なるので、確認してみましょう。
脱サラ起業で成功する人は能力と人柄を兼ね備えている
いかがでしたでしょうか?
脱サラ起業で成功しやすい人の傾向は、積極性や素直さといった性格面、先見性や営業力といった能力までいろいろあります。
当てはまる項目が多かった人はぜひ起業を検討してみてください。
当てはまる項目が少ない場合でも、脱サラ起業での成功が不可能というわけではありません。
抜けている項目をカバーしてくれるようなフランチャイズに加盟するという手があります。
フランチャイズに加盟しての独立を視野に入れたいという人は、住宅や自動車の修理・修繕サービスを提供するフランチャイズ「トータルリペア」への加盟もご検討ください。
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